후리가나로 읽는 일본 고전
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らんだのかるた
懶惰の歌留多
太宰 治의 懶惰の歌留多(らんだのかるた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,369자 · 25화면
ただ、摂取するのに面倒がないからである。そう言えば、この男は、どうやら、暑い、寒いを知らないようである。夏、どんなに暑くても、団扇の類を用いない。めんどうくさいからである。ひとから、きょうはずいぶんお暑うございますね、と言われて団扇をさし出され、ああそうか、きょうは暑いのか、とはじめて気が附き、大いにあわてて団扇を取りあげ、涼しげの顔してばさばさやってみるのであるが、すぐに厭きて来て手を休め、ぼんやり膝の上で、その団扇をいじくりまわしているような仕末である。寒さも、知らないのではなかろうか。誰かほかのひとでも火鉢に炭をついで呉れないことには、一日、火のない火鉢を抱いて、じっとしている。動くものではない。ひとから、注意されないうちは、晩秋、初冬、厳寒、平気な顔して夏の白いシャツを黙って着ている。
私は、腕をのばし、机のわきの本棚から、或る日本の作家の、短篇集を取出し、口を、ヘの字型に結んだ。何か、顕微鏡的な研究でもはじめるように、ものものしく気取って、一頁、一頁、ゆっくりペエジを繰っていった。この作家は、いまは巨匠といわれている。変な文章ではあるが、読み易いので、私は、このような心のうつろな時には、取り出して読んでみるのである。