후리가나로 읽는 일본 고전
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
久生 十蘭의 我が家の楽園(わがやのらくえん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 90,195자 · 175화면
完了と同時にひきとってしまったので、係争中は、旧所有者側に、失火、盗難、その他の事件によってひき起こされる、建物構造物の損害を防止する義務が生じることになった。
これからいく日か、家具ひとつない、がらんどうの空家で、紛争が落着するまで、毎夜、建築構造物の保護にあたる役目は、石田氏にとっても、ありがたいものではなかったろう。いらざる横車を押さなかったら、こんな羽目にならずにすんでいたと、後悔しているふうだったが、立って動ける男といえば、石田家には、石田氏しかいないのだから、どうしようもない。石田氏が役所に出ている間は、長女の千々子さまと次女の百々子が、隔日の交替制で出張する。石田氏は、早目に夕食をすまして、昼の部と交替する。賢夫人は、五十雄君の看護の手すきをみて、食事を運んでくる……という割当てになった。
その翌日は『こどもの日』で、役所はお休み。したがって、石田氏の夜直は、そのまま翌日の午後までつづくことになった。
翌朝、十時近く、賢夫人と百々子が、遅い朝食を持って麻布へ出掛けて行くと、石田氏は、むかしの上段ノ間の床に貸蒲団を敷き、意外にも、沈着な相好で眠っていた。