후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,981자 · 295화면
葉子はそのくせ、船客と顔を見合わせるのが不快でならなかったので、事務長に頼んで船橋に上げてもらった。船は今瀬戸内のような狭い内海を動揺もなく進んでいた。船長はビクトリアで傭い入れた水先案内と二人ならんで立っていたが、葉子を見るといつものとおり顔をまっ赤にしながら帽子を取って挨拶した。ビスマークのような顔をして、船長より一がけも二がけも大きい白髪の水先案内はふと振り返ってじっと葉子を見たが、そのまま向き直って、
「Charmin' little lassie ! wha' is that ?」
とスコットランド風な強い発音で船長に尋ねた。葉子にはわからないつもりでいったのだ。船長があわてて何かささやくと、老人はからからと笑ってちょっと首を引っ込ませながら、もう一度振り返って葉子を見た。
その毒気なくからからと笑う声が、恐ろしく気に入ったばかりでなく、かわいて晴れ渡った秋の朝の空となんともいえない調和をしていると思いながら葉子は聞いた。そしてその老人の背中でもなでてやりたいような気になった。船は小動ぎもせずにアメリカ松の生え茂った大島小島の間を縫って、舷側に来てぶつかるさざ波の音ものどかだった。