후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,981자 · 295화면
臥る時まで着ていた着物は、わざとはなやかな長襦袢や裏地が見えるように衣紋竹に通して壁にかけた。事務長の置き忘れて行ったパイプや帳簿のようなものは丁寧に抽き出しに隠した。古藤が木村と自分とにあてて書いた二通の手紙を取り出して、古藤がしておいたように、枕の下に差しこんだ。鏡の前には二人の妹と木村との写真を飾った。それから大事な事を忘れていたのに気がついて、廊下越しに興録を呼び出して薬びんや病床日記を調えるように頼んだ。興録の持って来た薬びんから薬を半分がた痰壺に捨てた。日本から木村に持って行くように託された品々をトランクから取り分けた。その中からは故郷を思い出させるようないろいろな物が出て来た。香いまでが日本というものをほのかに心に触れさせた。
葉子は忙しく働かしていた手を休めて、部屋のまん中に立ってあたりを見回して見た。しぼんだ花束が取りのけられてなくなっているばかりで、あとは横浜を出た時のとおりの部屋の姿になっていた。旧い記憶が香のようにしみこんだそれらの物を見ると、葉子の心はわれにもなくふとぐらつきかけたが、涙もさそわずに淡く消えて行った。
フォクスルで起重機の音がかすかに響いて来るだけで、葉子の部屋は妙に静かだった。