일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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せんそうざっき

戦争雑記

徳永 直

徳永 直의 戦争雑記(せんそうざっき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,149자 · 25화면

아오조라 문고

景気のいいときは、此処の倉庫は、ガラン堂になるように米が倉から搬び出された。幾百台の荷馬車が並んで、懸声いさましく、上熊本駅と熊本駅を行先にして、往復が絶えなかった。肥後米の、特に山鹿、菊池、大津、阿蘇の米産地の、咽喉をにぎるこの合資会社の「益城屋」の倉庫は、米穀検査所の出張所と、肥後銀行と飽託銀行との出張所があった。

私は度々ゆくので、勝手を知っていた。学校のかえりに、此の倉庫のまえをとおるときは、何時も注意して荷が動いているか、また父がいるかいないかを、自然それとなく確かめるのが癖となっていた。

そして近頃は、荷の動く日は稀れであった。それに、農家からの出具合は、一寸も変っていなかった。五俵、十俵と、雑穀を交じえた百姓達の売に出す米の数は、豊作見越しの収穫まえだけに、倉庫の店先には、幾台となく、いつも売込の米は止まっていた。

倉庫に入れきれなくなった米は、店先まで積んであった。

そして倉庫の米は一つも何処宛にも、搬ばれなかった。

常傭でない私の父は、十日も二十日も、仕事がなかった。

「残飯」を担いに行く母は、来る日も来る日も、父と喧嘩ばかりした。