후리가나로 읽는 일본 고전
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せんじりょこうかばん
戦時旅行鞄
海野 十三
海野 十三의 戦時旅行鞄(せんじりょこうかばん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,792자 · 22화면
金博士は、庶民階級がすきだと見えて、いつになく短気を出さず、淳々として丘へあがった船上で、通俗講演を一くさりぶったのであった。
「ああそうそう。某国大使館というのは、どこですかねえ」
こんどは金博士の方が声をかけた。
「某国大使館なら、ほら、向うの山の麓に、塔の上にきれいな旗がひらひらしている城のような建物がありましょう。あれが某国大使館です。しかしお客さん? あなた、あそこへお出でになるのでしたら、おやめになるようおすすめします」
「そりゃ何故かね」
「何故って、あの大使館は当時評判がよろしくないんで……。過去一年間に、あの大使館をくぐった者は、総計七千七百七十七人です。ところがあの門を出て来たものがたった四千四百四十四人なんです。不思議じゃありませんか」
「別に不思議とは思われんがのう。算術をすると、すぐ答が出るじゃないか。七千七百七十七人マイナス四千四百四十四人イコール三千三百三十三人と御明算が出る。すなわちこの人数たるや、某国大使館内に現に寝泊りしている館員の数である。どうじゃ、簡単な算術ではないか」
「いえ、そうじゃないんで……。あの大使館員は、実数わずかに三百三十二名なんですぞ」