후리가나로 읽는 일본 고전
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おうぎの
扇野
山本 周五郎
山本 周五郎의 扇野(おうぎの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,727자 · 67화면
「お待ちどおさま」おさとが膳を運んで来て云った、「おつる姐さんの云いつけで、ほかの芸妓衆はどなたも呼んではいけないっていうことですけれど、ようございましょうか」
栄三郎は「いいとも」と答えた。
問屋筋と船の客が五つ組あるそうで、おさともおちついて坐ってはいられず、栄螺さんのほかには小女が二人いるだけだったから、栄三郎は殆んど独りで飲んでいた。――日が昏れてまもなく、二階の座敷があいたと知らせて来たが、もう酔って面倒なので、おさとが移ろうとすすめるのを、そのまま飲み続けていると、やがて八時ちかい頃になっておつるがあらわれた。また例の(男の子が歩くような)足つきで手を振りながら縁側へあらわれると、ちょうど酒を替えに来ていたおさとに向って、片方の手をひらひらさせ、
「いいわおさとちゃん、あっちへいって」
と命令するように云った。
栄三郎はおつるの顔を見ていた。縁側へあらわれたときから、ずっと黙って見まもっていたが、おつるは彼のほうは見ようともせず、おさとが、なにかふざけたようなことを云いながら去ってゆくと、初めてこちらへ眼を向け、そうしていきなり彼にとびついた。