후리가나로 읽는 일본 고전
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おうぎの
扇野
山本 周五郎
山本 周五郎의 扇野(おうぎの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,727자 · 67화면
と立ちあがる。いつも貧乏だから、飲むのは居酒屋であり、遊ぶといってもよくって新吉原の小格子、たいていは岡場所と定っていた。そんなふうだからしぜんと借金が溜まる、見てもいられないので、栄三郎も家の物を持出すようになり、それが父親にみつかって、勘当された。――そのとき、角屋金右衛門が彼をひきとって、面倒をみてくれることになった。金右衛門は志摩のくに鳥羽港で、回船と海産物の問屋を営んでいる。また藩家稲垣氏の御用商であって、江戸日本橋に支店があり、年に一度ずつ出府して来た。古くから金右衛門は宗渓の絵をひいきにしていたが、少しまえから、宗渓よりもむしろ栄三郎の絵を欲しがるようになった。単に宗渓より好ましいというだけでなく、絵師としての将来を高く評価したらしい。彼が勘当になったと聞くと、日本橋槇町の(自分の店の)裏に、小さいながら一軒の家を買い、生活費から小遣まで、ゆき届いて面倒をみた。これは栄三郎の二十五歳の年のことであるが、それからまる七年、金右衛門の彼に対する信頼と好意は少しも変っていない。
こんど鳥羽の城中で御殿を修築するに当って、栄三郎に襖絵を描かせることになったのも、(角屋が費用を負担する条件もあるが)金右衛門の熱心な推薦によるものであった。