후리가나로 읽는 일본 고전
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おしかけにょうぼう
押しかけ女房
伊藤 永之介
伊藤 永之介의 押しかけ女房(おしかけにょうぼう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,073자 · 22화면
「本当の話なら、拝んで貰うよ」
源治はムツクリと寝床から起き上つた。それなり、もう再び寝込まなかつた。
善は急げで、話はトン/\拍子に運んで、やがて角かくしも重々しい初世は、佐太郎の軍服姿の写真の前で、三々九度の盃を重ねて、直きに源治の家の人となつた。そして三日目からは、もう初世の若々しい姿が、源治の田圃に見出された。真新しい菅笠の真紅なくけ紐をふくらんだ顎にクツキリと食いこませたその姿が、終日家裏の苗代で動いていた。
「源治は仕合せ者だよ、あんないい嫁をもつてな」
村の人々はそういう風に評判した。いくら手不足でも、この村ではまだ女で馬をつかうのは見かけなかつたが、やがて初世は馬耕をやりはじめたからであつた。そうして春野を殆ど一手でこなしてしまつたのだつた。
つづいて田植、除草と、天気のいい日に、手甲手蔽の甲斐々々しさで菅笠のかげに紅い頬をホンノリ匂わせた初世の姿を見かけないことはなかつた。足のわるい源治の姿が、ヒヨツコリ/\奴凧みたいに、そういう初世にいつもつきまとつて動いていた。
家では佐太郎の陰膳を据えることを、初世は毎日朝晩欠かしたことがなかつた。