일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

ばんしゅうへいや

播州平野

宮本 百合子

宮本 百合子의 播州平野(ばんしゅうへいや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 106,683자 · 214화면

아오조라 문고

もうその頃、海を渡る旅行は体一つでさえ困難になっていた。道具めいた何一つも持っては行けない。それでも、棲むところは網走ひとつに思いきめて、ひろ子は青森が空襲をうける度に、あら、またよ、と歎息した。青森市は焼かれ、連絡船の大半が駄目になったのであった。

切符が手に入れば、明日にもそちらへ行くと書いた手紙を封筒に入れながら、ひろ子は、ほんとに、この行李が海をこえるのかしらと思った。東京の親切な知人が、つてのない網走へゆくときめたひろ子を思いやって、すこし離れた都会にいる或る人に、紹介をたのんでくれた。待ちかねるほどたって返事が来た。ハガキにせわしい字で、当地も昨今は空襲を蒙るようになった。知人も疎開したり死亡したりしていて御希望に添うような便宜は得にくい、御主人によくお話になり、御渡道はお見合わせになるが然るべく、という意味が書かれていた。

「御主人によくお話になり」――云いつけで、ひろ子が遠いところへ行きでもするように。――懇篤な紳士と云われる人が、身に迫った戦禍に脅えて、浅く迅く視線を動かして身辺を視ている落付かないさまが、ハガキの面に溢れていた。