후리가나로 읽는 일본 고전
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ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
宮本 百合子의 播州平野(ばんしゅうへいや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 106,683자 · 214화면
「おばちゃん、戦争がすんだの?」
「すんだよ」
「日本が敗けたの?」
「ああ。敗けた」
「無条件降伏? ほんと?」
少年の清潔なおもてに、そのことは我が身にもかかわる屈辱と感じる表情がみなぎっているのを見ると、ひろ子はいじらしさと同時に、漠然としたおそれを感じた。伸一は正直に信じていたのだ、日本が勝つものだと。――しばらく考えていてひろ子は甥にゆっくりと云った。
「伸ちゃん、今日までね、学校でもどこでも、日本は勝つとばかりおそわったろう? おばちゃんは、随分話したいときがあったけれど、伸ちゃんは小さいから、学校できかされることと、うちできくことと、余り反対だと、どっちが本当かと思って困るだろうと思ったのさ。だから黙っていたのよ」
戦争の十四年間、行雄の一家は、初から終りまで、惨禍のふちをそーっと廻って、最小限の打撃でさけとおして来ていた。主人の行雄が、本人にとっては何の不自由もない些細な身体上の欠点から兵役免除になっていた。それが、そういう生活のやれた決定的な理由であった。所謂平和建設の建築技師である行雄は経済封鎖にあっていた。手元も詰りながら、一般のインフレーションの余波で何とか融通がついて、一年半ほど前から祖父が晩年を送ったその田舎の家へ一家で疎開暮しをはじめたのだった。