일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

甲賀 三郎의 支倉事件(はせくらじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 204,697자 · 406화면

아오조라 문고

由緒のある深川八幡宮の広々とした境内は濡そぼった土の香しめやかに、殊更に掃清めでもしたように、敷つめた砂の色が鮮かに浮び出ていた。雨に打たれて半砂の中に潜り込んだ、紙片が所々に見えて、反て風情を添えていた。

未だ昼には間のある事とて、露店商人も数える程しかなく、ホンの子供対手の駄菓子店や安い玩具を売る店などが、老婆や中年のおかみさんによって、ションボリと番をせられているだけで、怪しげな薬を売ったり、秘術めいた薄ぺらな本などを売りつける香具師達の姿は一つも見当らなかった。

社頭は静寂としていた。

拝殿の前の敷石には女鳩男鳩が入乱れて、春光を浴びながら嬉々として何かを漁っていた。小意気な姐さんが袋物の店を張る手を休めて、毎日眺めている可愛い小鳥達を、今日始めて見るように見惚れていた。参詣人はチラホラその前を通り過ぎた。

すべてが長閑だった。

玩具店を張る老婦も、神前に額く商人風の男も、袋物店の娘に流目を投げてゆく若者も、すべて神の使わしめの鳩のように、何の悩みもなく、無心の中に春の恵みを祝福しているのだった。彼等に取ってはこの一刹那に於てすら、神に逆らって罪を犯すものがあり、その罪人を血眼になって追い廻している警吏のある事などは考えの外であった。