후리가나로 읽는 일본 고전
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くろかべ
文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁
泉 鏡花
泉 鏡花의 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁(くろかべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 72,070자 · 143화면
ほほほほ。)袋戸棚から探って取った小罎を持って、胸の乳、薫ってひったりと、(これ、ここも、ここも、ここも。)虫のあとへ、ひやひやと罎の口で接吻をさせた。
ああ、この時は弱ったそうです。……由紀は仏間に一人、蚊帳に起きて端正と坐って、そして目をつぶって、さきから俯向いて一人居たのだそうですが、二階の暗がりに、その有様が、下の奥から、歴々と透いて見えたのですから。――年は長けても処女なんです。どうしていいか分らない。あっちへ遁げ、此方へ避け、ただ人の居ない処を、壁に、柱に、袖をふせて、顔をかくしたと言うじゃありませんか。
私は冷い汗を流した、汗と一所に掌に血が浸んだ。――帯も髪も乱れながら、両膝を緊乎結えている由紀を、板の間に抱いたまま、手を離そうにも、頭をふり、頭を掉って、目を結えたのをはずしませんから、見くびって、したたかくい込んでいた蚊の奴が、血をふいてぼとりと落ちたのです。
私は冷くなって恥じました。けれども、その妹も、並んだ姉も、ただの女、ただの芸妓に、私が扱い得なかったことは、お察し下さるだろうと存じます。
――痒さは、香水で立処に去りましたが、息が詰る、余り暑いから、立って雨戸を一枚繰りました。