후리가나로 읽는 일본 고전
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しゃよう
斜陽
太宰 治의 斜陽(しゃよう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,822자 · 176화면
「お母さま、おいでなさる?」
と私がたずねると、
「だって、お願いしていたのだもの」
と、とてもたまらなく淋しそうに笑っておっしゃった。
翌る日、もとの運転手の松山さんにお伴をたのんで、お母さまは、お昼すこし過ぎにおでかけになり、夜の八時頃、松山さんに送られてお帰りになった。
「きめましたよ」
かず子のお部屋へはいって来て、かず子の机に手をついてそのまま崩れるようにお坐りになり、そう一言おっしゃった。
「きめたって、何を?」
「全部」
「だって」
と私はおどろき、
「どんなお家だか、見もしないうちに、……」
お母さまは机の上に片肘を立て、額に軽くお手を当て、小さい溜息をおつきになり、
「和田の叔父さまが、いい所だとおっしゃるのだもの。私は、このまま、眼をつぶってそのお家へ移って行っても、いいような気がする」
とおっしゃってお顔を挙げて、かすかにお笑いになった。そのお顔は、少しやつれて、美しかった。
「そうね」
と私も、お母さまの和田の叔父さまに対する信頼心の美しさに負けて、合槌を打ち、
「それでは、かず子も眼をつぶるわ」
二人で声を立てて笑ったけれども、笑ったあとが、すごく淋しくなった。