후리가나로 읽는 일본 고전
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
夢野 久作의 斬られたさに(きられたさに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,352자 · 41화면
貴殿ならば大丈夫じゃ。万が一にも不覚はあるまい」
平馬は南向の縁側へ机を持ち出して黒田家家譜を写していた。一柳斎から「世間識らず」扱いにされた言葉の端々が気にかかって、何となく稽古を怠けていたのであった。
その鼻の先の沓脱石へ、鍬を荷いだ若党の金作がポカンとした顔付で手を突いた。
「……あの……申上げます」
「何じゃ金作……草取りか……」
「ヘエ……その……御門前に山笠人形のような若い衆が……参いりました」
「……何……人形のような若衆……」
「ヘエ……その……刀を挿いて見えました」
「……お名前は……」
「……ヘエ……その……友川……何とか……」
平馬は無言のまま筆を置いて立上った。今までの不思議さと不安さの全部を、一時に胸の中でドキンドキンと蘇らせながら……。
ところが玄関に出てみると最初に見かけた通りの大前髪に水色襟、紺生平に白小倉袴、細身の大小の柄を内輪に引寄せた若侍が、人形のようにスッキリと立っていた。すこし日に焼けた横頬を朝の光に晒しながらニッコリとお辞儀をしたので、こちらも思わず顔を赤めて礼を返さない訳に行かなかった。
……これ程に清らかな、人品のいい若侍をどうして疑う気になったのであろう……。