일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きられたさに

斬られたさに

夢野 久作

夢野 久作의 斬られたさに(きられたさに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,352자 · 41화면

아오조라 문고

平馬の眼に涙が一パイ溜まった。その涙の中で月の下の白い天守閣がユラユラと傾いて崩れて行った。そうしてその代りに妖艶な若侍の姿が、スッキリと立ち現われるのを見た。……本望で御座います……と云い云い、わななき震えて、白くなって行く唇を見た。

堀端伝いに桝小屋の自宅に帰ると、平馬はコッソリと手廻りを片付けて旅支度を初めた。下男と雇婆の寝息を覗いながら屋敷を抜け出すと、門の扉へピッタリと貼紙をした。

「啓上 石月平馬こと一旦、女賊風情の饗応を受け候上は、最早武士に候わず。君公師父の御高恩に背き、身を晦まし申候間、何卒、御忘れおき賜わり度候。頓首」

御用のため、江戸表へ急の旅立と偽って桝形門を抜け、石堂川を渡って、街道を東へ東へと急いだ平馬は、フト立止まって空を仰いだ。松の梢に月が流れ輝いて、星の光りを消していた。

平馬は大声をあげて泣きたい気持になった。そのまま唇を噛んで前後を見かわしたが、

「……ハテ……今頃はあの三五屋の老人が感付いて追っかけて来おるかも知れぬ。あの老人にかかっては面倒じゃが……そうじゃ……今の中に引っ外してくれよう。どこまで行ったとてこの思いが尽きるものではない……」