일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

だんがいのさっかく

断崖の錯覚

黒木 舜平

黒木 舜平의 断崖の錯覚(だんがいのさっかく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,483자 · 26화면

아오조라 문고

君も飲まないか。」

「私、飲めないの。」

「飲めよ。きょうはねえ、僕、うれしいことがあるんだ。飲めよ。」

「では、すこうし、ね。」

雪は、そう言ってカウンタア・ボックスに行って、二つのグラスにウイスキイをなみなみとたたえて持って来た。

「さあ、乾杯だ。飲めよ。」

雪は、眼をつぶってぐっと飲んだ。

「えらい。」私もぐっと飲んだ。「僕ね、きょうはとても、うれしいんだ。小説は書きあげたし。」

「あら! 小説家?」

「しまった。見つけられたな。」

「いいわねえ。」

雪は、酔っぱらったらしく、とろんとした眼をうっとり細めた。それから、この温泉地に最近来たことのある二三の作家の名前を言った。ああ、そのなかに私の名前もあるではないか。私は、私の耳をうたがった。酔がいちじに醒める気がした。ほんものがこのまちに来ている。

「君は、知っているの?」

私は、こんな場合に、よくもこんなに落ちつけたものだ、といまでも感心している。臆病者というものは、勇士と楯のうらおもてぐらいのちがいしかないものらしい。

「いいえ。見たことがないわ。でもいま、そのかた、百花楼に居られるって。あなた、おともだち?」