일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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にいづまのしゅき

新妻の手記

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 新妻の手記(にいづまのしゅき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,807자 · 22화면

아오조라 문고

家庭の中で任意に処理出来る仕事を持つことは、一城の主人たる証左であり、そういう仕事を失うことは、主人たる地位を失うことに外ならないだろう。母はそういう仕事に執着してきたに違いない。そのためには、私を女中同様の地位に放置しても意に介しなかった。また、三週間かそこいらの間、他家へ留守居に行くことも、本当の女中でない嫁の私が控えているため、少くともその間は、城主たる権力を私に引渡すことになるのを、たとい無意識にせよ感じたのだろう。その気持ちの奥底を、隠居云々の切先で抉られたのだろう。主婦の悲しい宿命である。そしてこの宿命は、家庭という観念の変革なくては、免れることが出来ない。おお、なんとばかばかしい観念であることか。それは政治的権力の観念とよく似寄っている。そんなものは、実は私には用がなかった筈だ。女中の地位などということに私が突き当ったのも、家庭の旧観念に私が囚われていたからではないか。家庭内の権威と、文学への夢想と、私を対象としての母の矛盾した態度は、いま、私には悲しいことに見える。

だが、一週間ばかりの間は何のことも起らなかった。駒込の伯父さまからは何の便りもなかったようだ。