후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,353자 · 371화면
美濃への出陣は、去年の秋ぐちから再三のことであって、その都度、木曾川の国境を、衝いては引き、また越えては退り、彼の反撥を小当りにあたってみるような小競り合いを繰り返していたものである。
先に、柴田隊の部将柴田勝家も、佐久間隊の佐久間信盛も帰っていた。後にはほとんど物見隊ぐらいな兵数しか残っていない筈である。
(美濃入りは取り止めか)
と、沙汰する向きもあったが、信長は半歳の目的は一応収め得たとしていた。また、国境から大部分の兵を退いても、大事なしと観ていた。
なぜならば、去年八月、斎藤義龍の病死と聞えたのは、その後、敵の戦意や諜報から見ても、もはや確実なことだったからである。
義龍の子、龍興に至っては、その暗愚を、信長は僥倖とはしているが、問題にはしていない。それを討つにはまた、自分には舅にあたる道三山城守を弑したる逆子を誅す――という人道の旗がある。
ただ信長が大事をとっているのは、彼にはまだ、道三山城守以来の富強と良い家臣のあることだった。今川義元を討ったとはいえ、にわかに織田の富強や兵数が激増したわけでは少しもないのだ。東野勝って西野に一敗を喫すれば、きのうの田楽狭間はむしろ笑うべき一朝の夢花醒散となってしまう。