후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 176,911자 · 353화면
「そう……。ほんにそうです。この身も、そぞろ生きている兄に会うような心地がして」
「なお、小袖の御紋をごらんなされませ。丸に蔦の葉でしょ。丸に蔦の葉の御紋は、この庵のうしろから登れる菩提山のお城の古い屋根瓦にも見られます。もう申すまでもなく、そのむかし、菩提山の城の主として住み、のちに、栗原山に身を隠され、羽柴秀吉さまの幾度とないおせがみに、よんどころなく秀吉さまの麾下に加わり、中国攻めのせつ、平井山の長陣に、おん病を重うさせられ、ついにお亡くなり遊ばしたと聞いております……あの、竹中半兵衛重治さまこそ、この似絵のおひとにちがいありません。……ね、禅尼さま、中ったでしょう」
「…………」
尼はもうとどめ得ない思い出に、まぶたを抑えたまま、横向きにうなじを折って、何という答えもなかった。
その竹中半兵衛が妹とあるからには、この松琴尼こそ、病身の兄にかしずいて、栗原山の山居にもいたあの山百合にも似ていた可憐な――名を、おゆうといった女性であることは、もうあらためて問うまでもない。
山を降りて、時の潮と、権力の中に住めば、あの節操、竹のごとき兄ですら、ついには秀吉の一軍師として仕えるの生涯を、どうにものがれ得なかった。