후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 176,911자 · 353화면
主君が家来を養って来たのではなく、家来が主君を養い育てて来たという変則が、却って、本当の意味の家族的団結をかため上げ、他家に類のない“徳川家”という独自なものを醸成して来た結果にほかならない。
つまるところ、それもこれも、この国が過去において、海道一の貧国であった賜物である。――と共に、今となれば、君臣共に、武門第一の苦労人揃いの家中――という得難い堅実性をもその基礎に持つものとなっていた。
「では、おゆるしを」
と、帯刀はにじり入って、うしろの障子を閉めた。――冬の雨が、大廂を寒々と打っている宵である。
「…………」
べつに、何の用でもなさそうに、安藤帯刀直次は、主君の前に、ぽつねんと、畏まったままだった。
「…………」
おかしな男かな、と家康もだまって眺めていた。
――が、何の窮屈でもない。不自然でもない。
雨の音を聞きながら、家康はその間に、この者の亡父を思い出していた。――幼少から「爺イ、爺イ」といって困らせてばかりいた安藤家重という老臣の面影をである。
――今、いたら。
と思う功臣は、ひとり家重ばかりでなく、家康の脳裡には、十指に余るほどあった。