후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 190,406자 · 381화면
「わあアッ」
と、声をあげてつづいた。
隊伍も陣列もない。
ほとんど、われがちなのだ。
およそ一国一城の大将の出陣とあれば、民家は一斉に業を休めて軒ばを浄め、かりそめの忌み事にも気をつかってその門出を見送り、兵は旗幟馬印を護って陣列を作り、将は威武を飾って、一鼓六足、国力のある限りな豪壮の美を押して国境へ出て行くのが常であったが――信長は、恬として、そういう方式や虚飾にかまっていなかった。
隊伍すらも充分に整えない早駈けなのである。しかも、死ぬ戦いときまっている。来る者は来い――として彼は先頭を切って駈けていた。
しかし、落伍する者はひとりもなかった。むしろ、進んで行く程、人数が殖えていった。召集が急なので、支度に間に合わなかった者が、飛び入りに横丁から加わったり、追いついて来て、参加するからである。
その鬨の声と跫音に、明け方の眠りをさまされて、
「何か?」
と、路ばたの百姓家や商工の民家では戸を開けた。
そして、寝ぼけ眼で、
「おう、戦だッ」
とは叫んだが、まだ暗い朝霧の中を、眼をさえぎって駈け通った先頭の人が、領主の織田上総介信長であったとは、後でこそ思い当ったが、誰もその時それとは見なかった。