일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 190,406자 · 381화면

아오조라 문고

藤吉郎は、他の相役と、溜りを作って休んでいた。

「何のお微行であろ」

誰も訊く。誰も知らない。

囁き合って、

「殿にも、きょうのお支度は、まずちとばかり家来も持つ、郷士の伜殿と見たらよいようなお装りなのだ。何かまた、飄気たお遊びでもあることと思うて来たら、そんなふうもなし、厳か、秘かに、ああして供人の揃うのを待っておいでなされる。やはり遠国へ向って、ほんとに旅立ち遊ばすのやも知れぬ。――となると、その行き先だが、誰か、小耳にでも洩れ聞いておらぬかの」

「よう聞かぬが、先頃、林佐渡様のおやしきへ召し呼ばれた時、京のあたりへと伺ったが」

一人のことばに、

「え。京都へ」

人々は声をのんだ。

危険なということが第一と、京都へ上る以上は、信長の胸に、何の大志、何の秘策かがあってのことにちがいないがと、その目的の何か、かえって大きな怪訝しみに囚われたのである。

藤吉郎は、人知れず、

「さてこそ。さてこそ」

独りうなずいて、信長の立ち触れが出るあいだ、邸内の菜園をぶらぶら歩いたり、屋根の子猫に手招きしたりしていた。

信長を囲む田舎武士の一群と、それを遠見に護って歩く山伏の一群とは、やがて幾日かを経て、都へ出ていた。