후리가나로 읽는 일본 고전
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しんじゅのことば
新樹の言葉
太宰 治의 新樹の言葉(しんじゅのことば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 29,156자 · 59화면
」幸吉は、素直にうなずいて、笑っている。「そのほかのことは、ちっとも、なんにも、覚えていません。あなたのお顔ぐらいは、覚えて置いても、よかったのに。」
「三つか、四つのころでは、記憶にないのが当りまえさ。けれど、どうだい、はじめて逢った兄なるものは、あんな安宿でごろごろしていて、風采もぱっとせず、さびしくないか。」
「いいえ。」はっきり否定したが、どこか気まずそうに見えた。さびしいのだ。こういう人が在ると知ったら、私は、せめて中学校の先生くらいにはなっていたのにと、くやしく思った。
「さっきの郵便屋さんは、君のお友達かね。」私は、話題を転じた。
「そうです。」幸吉さんは、ぱっと明るい顔になって、「親友です。萩野君と言います。いい人ですよ。あの人は、こんどは手柄をたてました。まえから僕が、あの人に、あなたのことを言ってあかして居りましたので、あの人も、あなたのお名前を知ってしまって、そうして、たびたび、あなたのところへ郵便配達しているうちに、ふと、このひとじゃないかと思ったのだそうです。五、六日まえ、僕のところへ来て、そんなことを言いますから、僕もわくわくして、どんな人か、と聞きましたら、ただ宿へ郵便を投げこむだけなのだから、顔は見たことがない、と言います。