후리가나로 읽는 일본 고전
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
長谷川 時雨의 新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,076자 · 256화면
――さてもさても和ごりょは、誰人の子なれば、定家かつらを――
京舞井上流では、この老女ものの小舞は許しものなので、人の来ない表広間の二階の、奥まった部屋にこの四人は集っている。薄暗いほど欄間の深い、左甚五郎の作だという木彫のある書院窓のある、畳廊下のへだての、是真の描いた紅葉の襖をぴったり閉めて、ほかの座敷の、鼓や、笛の音に、消されるほど忍びやかに稽古をつけている。
立っている、糸巻きに髷結んだ老女が、井上流の名手、京都から出稽古に来て滞留している京舞の井上八千代――観世流片山家の老母春子、三味線を弾いているのは、かつて、日清役のとき、威海衛で毒を仰いで死んだ清国の提督、丁汝昌の恋人とうたわれたおしかさん、座っている老女は、紅葉館創立以来のお給仕の総指揮役で、後見役のおやすさん。舞いをならっていた女は、それらの人たちにとっては、客人でもあり、もすこし親しみのある以前の朋輩でもあった大橋夫人須磨子さんだった。
美に対する愛惜――そうした分明した心持ちを知らなかった時分のことではあるが、わたしはある日、呉服橋の中島写真館で、アルバムをくってゆくうちに、一枚の写真の人物に引きつけられて、忘れられない美しい女を目に残した。