일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いちのくらさわなんりょう

新編 風雪のビヴァーク

松濤 明

松濤 明의 新編 風雪のビヴァーク(いちのくらさわなんりょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,081자 · 51화면

아오조라 문고

今までのように木立の中に閉じ込められて、何者かに監視されているような重苦しさもなく、晴々とした気分でツェルトの中であぐらをかいていられるのだ。まったく天下無敵な気持とはこのことであろう。通風孔からも、焼けた穴からも、皓々たる月の光りが洩れ、覗けばどこもかしこも見渡せる。まさにこの夜こそは、山の精に取り囲まれて送るにふさわしい一夜であった。穴から覗くと、聖は軽く夜霞に閉ざされているが、上河内のピラミッドは月光の中にくっきりと浮かび上がっている。

昼の間は肉体のアルバイトに気を紛らわされているが、ツェルトの中で落着いて眺めると、こうして一日一日と計画が達成されてゆくのはこの上もなく嬉しい。コッフェルで雪を溶かした水でぼそぼそのパンを噛ってはいるが、今夜はそれが至上の饗宴なのである。久しぶりで平和な眠りにつくことができた。

三月二十八日 晴

例によって明方の寒気に叩き起こされる。風が序曲を奏でながら、刻一刻、夜のとばりを押し開いて、また素晴らしい黎明が訪れた。朝、それはいかなる境遇にあろうとも、常に明るく輝かしい。おお、山は今光りに満ちてゆく。聖が、上河内が、アルペングリューエンに血のごとく燃え立った。