후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
太宰 治의 新釈諸国噺(しんしゃくしょこくばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,562자 · 179화면
「やあ、ここにいた。」と、丁稚らしき身なりの若い衆二人、部屋に飛び込んで来て、「旦那、ひどいじゃないか。てっきり、この界隈と見込みをつけ、一軒一軒さがして、いやもう大骨折さ。無いものは、いただこうとは申しませんが、こうしてのんきそうに遊ぶくらいのお金があったら、少しはこっちにも廻してくれるものですよ。ええと、ことしの勘定は、」と言って、書附けを差出し、寝ているのを引起して、詰め寄って何やら小声で談判ひとしきりの後、財布の小粒銀ありったけ、それに玉虫色のお羽織、白柄の脇差、着物までも脱がせて、若衆二人それぞれ風呂敷に包んで、
「あとのお勘定は正月五日までに。」と言い捨て、いそがしそうに立ち去った。
粋人は、下着一枚の奇妙な恰好で、気味わるくにやりと笑い、
「どうもねえ、友人から泣きつかれて、判を押してやったが、その友人が破産したとやら、こちらまで、とんだ迷惑。金を貸すとも、判は押すな、とはここのところだ。とかく、大晦日には、思わぬ事がしゅったい致す。この姿では、外へも出られぬ。暗くなるまで、ここで一眠りさせていただきましょう。」と、これはまたつらい狸寝入り、陰陽、陰陽と念じて、わが家の女房と全く同様の、死んだ振りの形となった。