후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
太宰 治의 新釈諸国噺(しんしゃくしょこくばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,562자 · 179화면
実際、愚図の原田にしては、大出来の思いつきである。弱気な男というものは、自分の得にならぬ事をするに当っては、時たま、このような水際立った名案を思いつくものである。
原田は少し得意。皆の見ている前で、重箱の蓋に、一両の小判をきちんと載せ、玄関に置いて来て、
「式台の右の端、最も暗いところへ置いて来ましたから、小判の主でないお方には、あるか無いか見定める事も出来ません。そのままお帰り下さい。小判の主だけ、手さぐりで受取って何気なくお帰りなさるよう。それでは、どうぞ、山崎老から。ああ、いや、襖はぴったりしめて行って下さい。そうして、山崎老が玄関を出て、その足音が全く聞えなくなった時に、次のお方がお立ち下さい。」
七人の客は、言われたとおりに、静かに順々に辞し去った。あとで女房は、手燭をともして、玄関に出て見ると、小判は無かった。理由のわからぬ戦慄を感じて、
「どなたでしょうね。」と夫に聞いた。
原田は眠そうな顔をして、
「わからん。お酒はもう無いか。」と言った。
落ちぶれても、武士はさすがに違うものだと、女房は可憐に緊張して勝手元へ行き、お酒の燗に取りかかる。