후리가나로 읽는 일본 고전
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たびへのいざない
旅への誘い
織田 作之助
織田 作之助의 旅への誘い(たびへのいざない)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,734자 · 12화면
南方派遣日本語教授要員の募集の記事が、ふと眼に止ったのである。
「南方へ日本語を教えに行く人を募集しているのだわ。」
と、呟きながら読んで行って、「応募資格ハ男女ヲ問ハズ、専門学校卒業又ハ同程度以上ノ学力ヲ有スル者」という個所まで来ると、道子の眼は急に輝いた。道子はまるで活字をなめんばかりにして、その個所をくりかえしくりかえし読んだ。
「応募資格ハ男女ヲ問ハズ、専門学校……。」
道子はふと壁の額にはいった卒業免状を見上げた。姉の青春を、いや、姉の生命を奪ったものはこれだったかと、見るたびチクチクと胸が痛んだ卒業免状だったが、いまふと、
「あ、ちょうどあれが役に立つわ。」
と、呟いた咄嗟に、道子の心はからりと晴れた。
「お姉さまがご自分の命と引きかえに貰って下すったあの卒業免状を、お国の役に立てることが出来るのだわ。そうだ、私は南方へ日本語を教えに行こう!」
道子はそう呟きながら、道子は、姉の死の悲しい想出のつきまとう内地をはなれて、遠く南の国へ誘う「旅への誘い」にあつく心をゆすぶられていた。
二十七の歳までお嫁にも行かず、若い娘らしい喜びも知らず、達磨さんは孤独な、清潔な苦労とにらみっこしながら、若い生涯を終ってしまったのである。