후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
「それじゃ、なかなか面白いことも多いでしょうね。」
「ええ、たまには、ありましてよ。この間も一度、ピエールっていうフランスの若い書記官があたしの手に接吻するんですの。あたしまごまごしちまったわ。」
千鶴子は手の甲を一寸拭くように撫でてみてからまた云った。
「でも、パリの上流のお嬢さんにはあたし感心しましてよ。日本とはよほど違うと思ったわ。十八で難かしい哲学の本を読んでいて、男の人たちに質問して来るんですの。あのブロウニュへ行く道の、アベニュ・フォッシュにある家よ。下のホールが銀座の資生堂ほどもあって、別室にマキシムのコックが来ているんですの。あたしたちそこでお料理やお茶を飲んでから、ホールで踊るんだけど、でも、壁なんか綺麗なものね。タペストリも皆ゴブラン織で、ルネッサンス時代の大きな彫像が置いてあって、ほんとに素晴らしいクラシックよ。」
書生には少し不似合なこんな話を矢代はふむふむと興味をもって聞きながら公園へ這入った。すると、千鶴子とよく坐るベンチの方へ足が自然に動いていった。鉄の卸問屋の次女である千鶴子は金銭に不自由がないとはいえ、パリの最高級のサロンへ出入すれば予期しない贅沢な心も植えつけられるであろうが、若い時代に人の見られぬものを見ておくのも、思い残さぬ後の慰めとなって、心も休まるであろうと矢代は