후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
千鶴子の顔は赤味を帯んで熱して来た。額の生え際に細かい汗をにじませ、股のふくらみを折り曲げつつ、氷の面へせり登って来る千鶴子と見合う視線の閃めきも、冴え返っている白光の中ではただ一点の光りに見えるばかりである。
鈍い氷の斜面が現れると、二人は腰を氷に附けたままずるずる辷り降りた。鋭い氷山はときどき中央に空洞を開けていて、その穴から向うを辷る千鶴子の姿がよく見えた。尾根の描く氷の歯の先端は、日光のために鈍く溶け崩れていたが、それでも半透明のまま、それぞれの姿態の鋭さで天に向って立っていた。
「一寸矢代さん動かないで。」
千鶴子は峰に跨がるような姿で矢代にカメラを向けた。断層を飛び渡った矢代は瑠璃色の割れ目の底を覗き込みながらじっとしていた。
「はい有難う。この次、洞があったら、そこからこちらを覗いて下さらない。そこも一つ撮りたいの。」
細かい砂を少し含んでうす汚れている氷の面は、足場を造る度びに、新しい輝きを壊れた断面から現した。臙脂色の千鶴子の姿が尾根の上に全貌を現したときは、来た峰の上に折れまがった長いその影を取り包んで、七色の彩光が氷の面面に放射していた。