후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
まさかと思っていたこととて暫くぼんやりしながら耳を立てていた久慈は、その音からふと東京の郊外の書斎で深夜よく聞き馴れた練兵の機関銃の音を思い起した。すると、一瞬奇妙な生ま生ましさで自分の部屋や机が眼に浮んだ。
「やっとるなア。」と矢代は瓦斯灯の光りの中を貫いて来る音の方を見詰めて云った。
三人はまた並んで坂を登っていったが、もう誰も物いうものはなかった。空気を弾く明快な単音は暫くつづいてからぴたりと停った。森閑となった坂を入り交った三人の影が長く打ち合いつつ、前後に剣のような鋭さで折れ変っていった。石畳の上を水の流れ下って来ているあの小路を曲った瓦斯灯の下まで来たとき、真黒な服装の女が誰かを待つ様子で一人じっと立っていた。その傍を通り抜けてから間もなく久慈は後ろを振り返って見た。鳥打の黒いジャケツを着た男が膝で女の腰を一蹴り蹴って上りの額を受けとると、また疲れたように黙黙と二人並んで坂を下っていった。
剃刀をあて終え眠りたりた気持ちで久慈はカラアを取り替えた。通りをへだてた前の、建築学校の石の屋根の上に一面生えている草の中で、垂直に立ち連った菖蒲の花が真盛りである。