후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
出たところの往来はパンテオンの方から下っているサン・ミシェルの坂だった。坂道の繁しい人通りの中を左翼の新聞売子が叫びながら通る。その険しい声の後から右翼の新聞売子が、またそれを揉み消すような声を張り上げて迫ってゆく。その後からまた左翼、右翼と、続続とつづいて通るあわただしい夜のカルチェ・ラタンである。学生街であるからここは王党という学生の理想が一番勢力を占めているので、新聞は左翼も右翼もあまり売れない。目的はただ王党の中に左右の喰い込む術にあるらしかった。
「明日の船で帰られるのなら、ひとつ今夜は遊びましょう。私もパリ祭を見ればロシアを廻って帰りますよ。」
矢代のこう云う案内で四人は附近のアルザス料理を食べに坂を下った。セーヌ河近くのこのあたりは久慈は今日のうちにもう二度も来た。ノートル・ダムの尖塔の見える薔薇垣の傍のテラスで、羊や鱒を註文してから五人は空腹を柔げると、まだ西洋を見なかったころの印度洋や紅海あたりの船中の食卓を思い、話は楽しくいつまでも尽きそうになかった。
「しかし、何んですよ。これでわたしらは運悪う大風の中へ来たようなものでしたが、さんざんこちらで揺り廻されてほッとして帰ると、今度は日本にここどころじゃない、大風が吹いてるんじゃありませんかな。