후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
全く迂濶に二人の桟敷の番号を訊き忘れたのを彼は後悔しながら歩廊を歩いているうち、多分このあたりだろうと見当をつけて立ち停った。しかし、勿論、たといそこだと分ったところで中へ侵入するわけにはいかないのである。矢代はまた引き返して来た。森閑としたホールの大理石の間を、金色の欄干が身を翻すようななまめかしさで、自由に嬉嬉としてひとり戯れている。彼はふとチロルで氷河の牙の上から振り向いた千鶴子の奔放な美しさを思い出した。暫くして矢代は自分の桟敷へ這入ってみたが、真紀子はまだ戻っていなかった。彼はソファに凭れて舞台を睨めていてももう何の興味も起らなかった。自分のタキシイドの胸板の白さが広い部屋の中でいやに生き生きと嵩ばって見え、早く終幕も一度にしてしまってほしいと思いながら、彼は欠伸が一つ出るとまたすぐ次ぎに続けて出た。
舞台は恋愛に破れたアルマンが出て来て賭けをし始めるころから少し面白くなって来た。今にあの賭けで勝った金をマルグリットに投げつけるのだと思う予想が矢代のいら立たしさを慰めてくれるのだった。そこへマルグリットが這入って来た。彼女は別れたアルマンのいるのを見てひどく驚く様子をじっと圧え、一緒に来た男爵の傍に立ったままアルマンの自棄な姿をときどき見た。