후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
三日の間どこへ行ってたものか一向口を割らぬ久慈に、矢代も強いて訊ねる気も起らなかったが、そのうちに久慈は寝台の毛布を払って横になると、つづいた睡眠の不足と見えてすぐ瞼をとろりと落して起きて来なかった。
朝になって矢代は久慈よりも先に眼を醒した。横でよく眠っている久慈を起さず顔を洗ってから真紀子が前夜帰っているかどうかを見たくなって部屋へ行ってみたが、まだ鍵が降りていた。帰っているらしいことは確かだった。矢代はホテルを出ると近くのルクサンブールの方へ歩き、公園の入口の自働電話で千鶴子に居所を報らせてからひとり鉄柵の中へ這入っていった。
夜半に雨でもあったと見え幹の濡れた樹樹から滴りが重く落ちて来た。一人も人のまだいない園内の路の上に白く点点と羽毛が散っていて、踏む砂からじっとりと水が滲み出た。
爽爽しい空気だった。矢代はベンチの鉄に溜っている露を拭いて腰を降ろした。朝の日光が斑点を泛べている芝生の上を鳩が葉先を胸で割りつつ歩いて来る。いつも見馴れた風景であるが矢代はここの平凡さが好きだった。特に心を奪うような樹を排してあるのも一服の煙草の味を美味にした。