후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
」
頼りのない声で千鶴子はそう云うとテーブルの上の新しいネクタイを手にとって眺め、
「いいわね。これ。」と久慈を見て笑った。
過ぎた日のことを思い出す愁いは旅にはつき物とはいえ、特に二人の場合は息苦しい思いを増すばかりだったが、しかし、久慈は一度は話しておかねばならぬ機会が今よりないと気づいて来るのだった。
「もう少し聞いといて下さいよ。口説きにならんじゃないか。」
「お聞きしているのよ。」
逆流して来る久慈の気持ちの泡立ちが突然胸を刺す眼新しい世界に感じたらしく、千鶴子ははッと立ち停ったように大きな眼で彼を見た。瞬間久慈も眼を見張った。
「何もそう改ったことじゃないよ。勿論、何んでもないことだけれども、とにかく僕にも云わなくちゃならぬ理由が一つはあるのだ。一度はあんなに心をひかれた人なんだから、云うことが何もないとは云えないからね。正直なところがそうですよ。君だってそうでしょう。」
日ごろの親しさの雑談がいつともなしに捻じ固まり、真面目な相を帯びて来ると、思いもよらぬ火花の散り砕けた後の静けさを見る思いで二人の言葉は詰るのだった。久慈は静かに置いたつもりのコーヒー茶碗が銀盆の上で意外に大きな音を立てるのを聞くと、また置き直したくなるほど云うことが何もなかった。