후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
関門海峡の両側の灯が、あたりに人の満ち溢れている凄じさで海に迫っていた。眼にする物象が絶えず跳ね動いているような活気に矢代は人からも押され気味になり、受け答えにも窮する遅鈍なものが、いつの間にか自分になっているのを感じた。それはひどく時代の遅れた自分であり、早急の間に合いかねるその自分から錆が沁み出ているようだったが、しかし、ともかくも日本へ無事帰りついている自分であることだけはたしかだった。今はもうそのことだけで彼は嬉しく、後はどのような目に逢おうとも忍耐出来ると思い、彼は胸の中に笑いの綻ろんでいくようなゆったりとした気持ちで周囲を見廻した。人人の多くは洋服を着ていたが、どれも皆洋服のようには見えなかった。男たちは皆眼光が鋭く不意に殺到して来そうな気配の中を、婦人たちが何んの恐れげもなく歩いているのが、不思議と優雅ななまめいた魚の泳ぐ姿に見え楽しそうだった。
上りの汽車に乗ってからも、彼は満員の食堂車へ入って見た。ナイフとフォークを使う人人の手の早さが刀を使っているようで、狭い車内の傾いて飛ぶぐらぐらした中でも、揺れつつ肉を突き刺し巧みに口へ入れていた。