후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
まだ人人の誰も知らぬことがらが必ず隠れているにちがいないと思い、裸身の人人の湯の中の姿を濃霧の中から見つづけた、ときどき朝日に透けた霧の中から、二つの乳房がおぼろに水面に対って重く垂れている均衡のある美しさを彼は見て、あるいはギリシアは、ここに何か欠陥が生じて滅んだのではあるまいかと思ったりした。
「つまり乳が不足したのさ。代りに山羊の乳を人間に飲ませすぎたのだ。」
何んとなく彼は勝手にこんなことを思いある日も湯から上って来た。小屋へ戻ると、帰途の寒さに凍りついたタオルをへし折り炉の傍へかけてから、彼は味噌汁に入れる葱をナイフできざんだ。雪を冠った鉾杉の幹の下でぷつぷつ切れてゆく葉脈の匂いが強く発ち、あたりの雪の白さが急に眼に滲みついて痛んだ。
矢代が小屋へ来てから十日ほどたった日、遅い新聞と一緒に宿の女中が電報を届けに来た。千鶴子が兄をつれてその夜の六時の汽車で着くという電報だった。
「来るなというのにとうとう来るのか。」
と矢代はひとり呟いて笑った。
電文の最後に宿たのむとあるので捨てても置けず、彼はさっそく部屋を見に宿屋へ行ってみることにした。