후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
千鶴子と久慈と矢代は、飛行館のバスには乗らず別にタクシを呼んでパリまで走らせた。
「ホテルは取ってありますよ。あまり僕らと離れたところは不便かと思って、近くにしました。」
と久慈は千鶴子に云った。千鶴子の思いがけない美しさに、久慈も前夜のことなど忘れたのであろうと矢代は思ったが、しかし、それとて船中で千鶴子に示した親切さを思うと、自然と矢代も身を引くあきらめを感じて落ちついて来るのであった。自動車の中でも千鶴子と久慈とはしきりに話をしたが、矢代は絶えず日本風の淋しい顔のまま黙っていた。パリがだんだん近よって来ると、千鶴子は窓から外を覗きながら、
「もうここパリなの。何んて優雅なところでしょう。あたし、これじゃもうロンドンへ帰れないわ。」
浮き浮きして云う千鶴子を久慈は抱きかかえるようにして、
「こちらにいなさいよ。女の人はパリじゃなくちゃ駄目ですよ。フロウレンスへ行くって、いつ行くんです。行くなら僕も一緒に行こうかな。」
「半月ほどしたら行きたいと思うんだけど、でも、あなたは駄目じゃないの。アンリエットさんとかいらっしやるって、お手紙に書いてあったじゃありませんか、」