후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
「面白うてやがて悲しき鵜舟かな。」
いつも旅の思いにつれ口にのぼる芭蕉のそんな句も、ともに泛んで来たりしたが、千鶴子と彼に注がれた一同の視線はなお離れず窮屈だった。
「しかし、港の夜景というものは、実際物を思わせるものだよ。無理はないさ。フランスの名高い詩人だが、たしかヴァレリイだったと思うがね、人生のうちで愛人と二人で港港を船で這入って行くことほど幸福なことはないと云っているよ。何んでも、陸と海とが口をつけているのは港で、そこを二人で這入って行くのだからというのだね。」と東野は云って、海の方を見ながら、「青年はいいな、まだまだこれから幾らでも機会はあるんだからね。しかし、もう僕にはそれが何もない。今夜で了いだ。」
思いがけない東野の悲痛なそのひと言に、皆は水を打たれたように急にしんと静かになった。
「しかし、始めあれば、また終りあり、といった形だな、あの船は。」と久木男爵は云ってまたすぐ一同を笑わせた。
「それが、つまり御老人の集合論ですかね。そこを一つ聞きたいものだな。」と由吉はすかさず久木男爵に応酬した。
「いや、冗談じゃない、そういうのが集合論ですよ。