후리가나로 읽는 일본 고전
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うえの
日和下駄 一名 東京散策記
永井 荷風
永井 荷風의 日和下駄 一名 東京散策記(うえの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,955자 · 70화면
に見た時よりも遥に甚しきものがあった。
五年間に渉った欧洲の戦乱は極東の帝国に暴富の幸を与えたことは既に人の知る所である。オペラ一座の渡来も要するに幸を東亜に与えた戦禍の一現象である。当時巴里に於て、一邦人が独力にしてマネエ、ロダンの如き巨匠の製作品と、又江戸浮世絵の蒐集品とを仏蘭西人の手より買取ったことがあった。是亦戦争の余沢である。オペラは帝国劇場を主管する山本氏の斡旋に依って邦人の前に演奏せられ、仏蘭西近世の美術品と江戸の浮世絵とは素封家松方氏の力によって極東の地に輸送せられた。日本の芸術界は此の二氏の周旋を俟って、未曾て目にしたことのなかった美術の名作を目睹し、また未嘗て耳にした事のなかった歌謡音楽を聴き得たわけである。わが当代の芸術界は之がために如何なる薫化を蒙ったかはまだ之を審にすることができない。然し松方山本二氏の姓名の永くわが文化史上に記録せられべきものたることは言うを俟たない。
大正八年の秋始て帝国劇場に於てオペラを演奏した芸人の一座は其本国を亡命した露西亜人によって組織せられていた。露西亜は欧米の都会に在ってさえ人々の常に不可思議なる国土となす所である。