후리가나로 읽는 일본 고전
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かにのかい
日本の怪談(二)
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 日本の怪談(二)(かにのかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 80,664자 · 171화면
狼の声は近づいて来た。飛脚は手に隙が出来たので腰から煙草入を抜いて、火打をこつこつ打って火を点けながら煙草を喫んでいた。
「あれは、なんでございましょう」と、女が恐ろしそうに聞いた。
「あれが狼じゃ、狼でも私が控えておるから、大丈夫じゃ、心配せんでも好い」と、飛脚は落ちついて煙草を喫んでいた。
物凄い狼の声がもう脚下の方に起って、四辺が一面に物騒がしくがさがさと鳴りだした。
「来たな」と、飛脚は煙草の吸い殻を下に落して、煙草入をさし刀の目釘をしめして待っていた。
狼の群は二人のあがっている樹の周囲をくるくると廻りはじめた。そして、廻りながら吠え立てた。
狼は樹の幹に爪を立てながらあがって来た。ぎろぎろする両眼の光とともに灰白色の動物の頭が見えた。飛脚は隻手に檜の小枝を掴み、隻手の刀を打ちおろした。狼は悲鳴をあげて下に落ちた。
続いて後からまた狼の眼が光りだした。飛脚の刀はまたその頭に触れた。その狼もまた悲鳴をあげて下に落ちた。飛脚が一呼吸つく間もなくつぎの狼がまた頭をだした。その狼も飛脚の刀を浴びて下に落ちた。それでも次の狼は懲りずに上へあがろうとした。