일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あべいちぞく

日本の文学 3 森鴎外(二)

森 鴎外

森 鴎外의 日本の文学 3 森鴎外(二)(あべいちぞく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,545자 · 140화면

아오조라 문고

ただに服飾の粗に甘んじたばかりではない。立派な第宅におりたいとも言わず、結構な調度を使いたいとも言わず、うまい物を食べたがりも、面白い物を見たがりもしなかった。

お佐代さんが奢侈を解せぬほどおろかであったとは、誰も信ずることが出来ない。また物質的にも、精神的にも、何物をも希求せぬほど恬澹であったとは、誰も信ずることが出来ない。お佐代さんにはたしかに尋常でない望みがあって、その望みの前には一切の物が塵芥のごとく卑しくなっていたのであろう。

お佐代さんは何を望んだか。世間の賢い人は夫の栄達を望んだのだと言ってしまうだろう。これを書くわたくしもそれを否定することは出来ない。しかしもし商人が資本をおろし財利を謀るように、お佐代さんが労苦と忍耐とを夫に提供して、まだ報酬を得ぬうちに亡くなったのだと言うなら、わたくしは不敏にしてそれに同意することが出来ない。

お佐代さんは必ずや未来に何物をか望んでいただろう。そして瞑目するまで、美しい目の視線は遠い、遠い所に注がれていて、あるいは自分の死を不幸だと感ずる余裕をも有せなかったのではあるまいか。その望みの対象をば、あるいは何物ともしかと弁識していなかったのではあるまいか。