후리가나로 읽는 일본 고전
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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
森 鴎外의 日本の文学 3 森鴎外(二)(あべいちぞく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,545자 · 140화면
と言って、借りて差したこともたびたびある。
光尚に阿部の討手を言いつけられて、数馬が喜んで詰所へ下がると、傍輩の一人がささやいた。
「奸物にも取りえはある。おぬしに表門の采配を振らせるとは、林殿にしてはよく出来た」
数馬は耳をそばだてた。「なにこのたびのお役目は外記が申し上げて仰せつけられたのか」
「そうじゃ。外記殿が殿様に言われた。数馬は御先代が出格のお取立てをなされたものじゃ。ご恩報じにあれをおやりなされいと言われた。もっけの幸いではないか」
「ふん」と言った数馬の眉間には、深い皺が刻まれた。「よいわ。討死するまでのことじゃ」こう言い放って、数馬はついと起って館を下がった。
このときの数馬の様子を光尚が聞いて、竹内の屋敷へ使いをやって、「怪我をせぬように、首尾よくいたして参れ」と言わせた。数馬は「ありがたいお詞をたしかに承ったと申し上げて下されい」と言った。
数馬は傍輩の口から、外記が自分を推してこのたびの役に当らせたのだと聞くや否や、即時に討死をしようと決心した。それがどうしても動かすことの出来ぬほど堅固な決心であった。外記はご恩報じをさせると言ったということである。