후리가나로 읽는 일본 고전
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
近松 秋江의 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,306자 · 300화면
察するところ、札を外してからまだ幾日も日が経ぬのでまだ名札をはずすだけはずして後を揃えず、そのままにしているのらしい。私は寒い夜風の中に釘付けにされたような気持で、そこへ突っ立ったまま、
「はて、不思議だ。どうしたのだろう?」と、思った。彼女を知ってから五年の長い間、不安に思う段になれば、随分不安なわけであった。日夜数知れぬ多くの人に名を呼ばれている境涯の身であれば、商売を廃めるからとて、一々馴染みの客に断って往くわけのものでもない。けれども自分は、初めから度胸を据えて、女は私に黙って、そこから姿を消して往かないと信じていた。百に一つ、そんな場合がありはせぬだろうかと、遠く離れていて、ふと不安に襲われることがあっても、何となく、そんなことはめったになさそうに思われたのであった。しかるに、今、まぎれる方もなく、明らかに彼女の名札が取れているのを見ると、近いうちにここにいなくなったに相違ない。籠に飼われた小鳥と同じく容易に逃げていなくなる気づかいはないと思っていたのは、もとよりこちらの不覚であった。そんなことがありはせぬか、せぬかと不安に思いながら、今までなかったから、あるまいと思っていたら、とうとう籠の鳥は、いつの間にか逃げてしまった。