후리가나로 읽는 일본 고전
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
近松 秋江의 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,306자 · 300화면
「どうしていたの? あなた。しばらくじゃないの」
やっぱり柳沢の方に向ってそういいながら餉台を挟んで柳沢と向い合って座った。そしてその横手に黙って坐っている私の方をチラリと振り向きながら、
「いらっしゃい!」と、一口低い調子でいった。
「よく売れると思われていつ来たっていないね」柳沢はじろじろお宮を瞻りながらいった。
「あら、あれから来たの。だって来たと言わないんだもの」
「僕は来たって、来たということを誰にもいわないもの。名なんかいやあしないもの」
そういう名をこんな土地で明かして、少しでも女に好かれようとするようなことは自分はしないのだといわぬばかりにいった。
「あなたの名は何という名?」
「俺には名なんかないのだ」
今にも対手を噛み付くような恐ろしい顔をしていながら柳沢はしきりに軽口を利いて女どもの対手になっていた。
「じゃ、名なし権兵衛?」も一人の十六、七の瓢箪のような形の顔をした口先のませた女がいった。
「ああ、僕は名なしの権兵衛」
「好い名だわねえ」
「うむ、好い名だろう」
柳沢は、まるで人が違ったように気軽に饒舌っていた。
「今日お前はいつものよそゆきと違って大変直な生な身装をしているねえ」