후리가나로 읽는 일본 고전
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
近松 秋江의 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,306자 · 300화면
私は長い橋の中ほどに佇んで川の上流の方を眺めると、嶮岨な峰と峰とが襟を重ねたように重畳している。時によっては好い景色とも見られるであろうが、午後から何だか、寒さが増して陰気な空模様に変ったと思っていたら、雪花がちらりちらり散って来た。私は、長い橋の上に立って空を見上げながら、「この空模様で、膝を没する泥濘道ではとてもおぼつかない」とまた思案をしたが、ともかく橋を向うに渡ってなお歩いていると、そこへ後からがらがら空車を挽いた若い男の荷馬車がやって来た。私はその男に声をかけた。
「その荷馬車はどこまで行く? 何がしの村まで行かぬか」
と訊ねると、その途中まで帰るのだという。
「君、その荷馬車に乗せてもらえないか」と頼むと、
「ああ、乗って行きなはれ」といいながら、彼はずんずん行く。
それは、何か貨物を運搬した帰りと思われて、粗雑な板箱の中は汚くよごれている。私はそれを見て心を決しかねて、なお後からついてゆくと、彼はしばらく行くと、馬を停めておいて、道傍にあり合わした藁塚から藁を抜き取って来て、それを箱の中に敷いて、
「さあ、乗んなはれ」という。
私は、心に、若い馬子の深切を謝したものの、さすがにその荷車に乗りかねた。