후리가나로 읽는 일본 고전
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
楠山 正雄의 日本の諸国物語(せっしょうせき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 75,040자 · 158화면
そしてくずれてどろどろになった肉が血といっしょに流れ出していました。
坊さんは「あっ。」といったなり、しばらく腰を抜かして目ばかり白黒させたまま起き上がることもできませんでした。そのうちふと気がつくと、これこそ話にきいた一つ家の鬼だ、ぐずぐずしているととんでもないことになると思って、あわててわらじのひもを結ぶひまもなく逃げ出そうとしました。けれども今にもうしろから鬼婆に襟首をつかまれそうな気がして、気ばかりわくわくして、腰がわなわなふるえるので、足が一向に進みません。それでもころんだり、起きたり、めくらめっぽうに原の中を駆け出して行きますと、ものの五六町も行かないうちに、暗やみの中で、
「おうい、おうい。」
と呼ぶ声がしました。
その声を聞くと、坊さんは、さてこそ鬼婆が追っかけて来たとがたがたふるえながら、耳をふさいでどんどん駆け出して行きました。そして心の中で悪鬼除けの呪文を一生懸命唱えていました。そのうち、
「おうい待て、おうい待て。」
と呼ぶ鬼婆の声がずんずん近くなって、やがておこった声で、
「やい、坊主め、あれほど見るなといった部屋をなぜ見たのだ。