후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
山本 周五郎의 日本婦道記(にほんふどうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,412자 · 25화면
と、呼んでみた。するとあのとき以来わすれていた母の面影が、絵のようにまざまざと闇のなかに浮きあがった。それはよく覚えようとしてあんなにつくづくと見た臨終の顔ではなく、いつも明るい眉をして、しんとどこかを眺めているという風な、やさしい美しい日のおもかげだった。彼はもういちど「お母さま」と呼んだ、美しい母の顔は彼のほうを見て頷くように思えた。澄みとおるような大きな眸子は笑っていた。彼はきつく唇を噛みしめながら噎びあげた。――やっぱりお母さまがいちばん自分を可愛がって下すった、誰だってお母さまがして下さるように親切にして呉れる者はない。そしてお母さまは今でも自分の側についていて下さる。弁之助が世の中のためお国のためにやくだつりっぱな武士になるようにと、そばについて護って下さるんだ。彼はそう思いながら、囁やくような声でそっとこう云った。
「お母さま、弁之助はきっと人に負けないりっぱな人間になります、お母さまがお望みなさるような武士らしい武士になります、そうしたらお母さまは褒めて下さいますね」
誰のためでもない母のために、きっと人にすぐれた武士になってみせる。