후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんぶんかしかん
日本文化私観
坂口 安吾의 日本文化私観(にほんぶんかしかん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,816자 · 43화면
銀座から築地へ歩き、渡船に乗り、佃島へ渡ることが、よく、あった。この渡船は終夜運転だから、帰れなくなる心配はない。佃島は一間ぐらいの暗くて細い道の両側に「佃茂」だの「佃一」だのという家が並び、佃煮屋かも知れないが、漁村の感じで、渡船を降りると、突然遠い旅に来たような気持になる。とても川向うが銀座だとは思われぬ。こんな旅の感じが好きであったが、ひとつには、聖路加病院の近所にドライアイスの工場があって、そこに雑誌の同人が勤めていたため、この方面へ足の向く機会が多かったのである。
さて、ドライアイスの工場だが、これが奇妙に僕の心を惹くのであった。
工場地帯では変哲もない建物であるかも知れぬ。起重機だのレールのようなものがあり、右も左もコンクリートで頭上の遥か高い所にも、倉庫からつづいてくる高架レールのようなものが飛び出し、ここにも一切の美的考慮というものがなく、ただ必要に応じた設備だけで一つの建築が成立っている。町家の中でこれを見ると、魁偉であり、異観であったが、然し、頭抜けて美しいことが分るのだった。
聖路加病院の堂々たる大建築。それに較べれば余り小さく、貧困な構えであったが、それにも拘らず、この工場の緊密な質量感に較べれば、聖路加病院は子供達の細工のようなたあいもない物であった。